ECサイトを運営する際にはさまざまな指標を気にしなければなりませんが、意外に気にされずに放置されがちなのが「カート追加率」です。
カゴ落ち率やCVRなどは多くの人が気にしますが、そもそものカート追加率を上げるための観点は抜け落ちがちです。
今回の記事では、カート追加率の平均値や、カート追加率の改善方法について紹介していきます。
カート追加率の平均値は?
弊社ではこれまで累計100社以上のECサイトの改善に携わってきました。
その中で、カート追加率は全商材平均で3〜4%程度であることがわかっています。
もちろん商材によっても変わってきます。
ニッチな商材であればカート追加率は1%を切ることもありますし、本当に欲しい人しかアクセスしてこないようなECサイトであれば8%程度になることもあります。
ですが、面白いくらいにほとんど3〜4%の間です。
あなたのECサイトのカート追加率が3〜4%に入らない場合、まずは3〜4%が平均値だと認識した上で、普通と比べて何が違うだろうか?という観点でサイトを分析してみると面白いと思います。
カート追加率の改善方法5選
それでは本題のカート追加率の改善方法についてご紹介していきます。
基本方針は
・チャンスを増やす
・ゴールまで短く
・ユーザーに優しく
です。
では具体的に見ていきましょう。
カート追加ボタンをTOPページに表示させる
まずはカート追加ボタンをTOPページに表示させることです。
意外とやっていないサイトが多いのです。
サイトを見にきた1枚目のページには説明だけ書いてあって、そこから商品詳細ページに飛んで初めてカート追加ができるようになっているサイトは、機会損失をしています。
ECサイトへは初回訪問者やリピーターなど、さまざまな人が来訪します。
考えるべきは、多くの場合、商品を買う人は何度かページに訪れてから買うということです。
つまり、実際に買う際は、買うことを決めてからサイトに訪れるケースが多いのです。
そうした時に、最初に到達したページからすぐ買える導線になっていなければ、ボタンを探すのが面倒になって、買うのを諦めてしまうかもしれません。
そうした機会損失を防ぐために、TOPページやランディングページから直接カートに追加できる導線を確保しておきましょう。
人気商品をなるべく上部に表示させる
これも見落としがちな観点です。あなたのECサイトにおける売れ筋商品は、ユーザーが買う確率が高い商品だと言えます。
つまり、その商品のカート追加率や購入率は、他の商品に比べて高いはずなのです。
そのような商品は、より多くのユーザーの目につく場所に置くべきです。
それはどこかというと、ページの上部かつ左側です。
チラシなどを読むとき、日本人は「Z」の書き順で目線を動かしていきます。つまり、上部かつ左側が最も目につく場所になるのです。
そのような場所に、一番成約率やカート追加率の高い人気商品を置くことで、サイトの売上は上がっていきます。
カート追加ボタンを大きくする
これは、古いカートシステムを使っているECサイトにありがちなのですが、「カート追加」するためのボタンが小さく押しづらいことがあります。
ちょうどこんな感じです↓
同様の問題として、バリエーションを選ぶボタンが小さすぎるものもあります。
こんな感じです↓
押しづらさは、そのまま離脱の可能性に繋がりますので、直しましょう。
ただ、こういうボタンをしているカートはそのほかにも古くて使いづらいところがあったり、機能拡張ができなかったりするので、ポジショントーク抜きに、最新のカートシステムを使ってリニューアルしてしまうのがおすすめです。
カート追加ボタンの文言を変える
これはありがちなのですが「Add to Cart」などのように英語表記になっていたり、商品特性に合わせて小洒落た表現を使っている場合、その文言をシンプルでわかりやすい表現に変えると追加率が改善することがあります。
もちろんブランドイメージも大事ですが、本当に大事なのは買う人にとってわかりやすいかどうかです。
他にも「チェックアウトする」などもEC用語です。ずっとECに触れていると当たり前に感じますが、初めて聞いた人にはよくわからないことがありますので
「レジに進む」
「購入する」
「買い物カゴに入れる」
「カートに入れる」
「カートに追加する」
など、万人がそれとわかる表現を入れましょう。
弊社的には「レジに進む」は改善するケースが多いので、ぜひ試してみてください。
ただ、商材によって当たり外れもありますので、テストし続ける姿勢を忘れずに。
商品を買うために必要な情報を網羅する
こちらはコンテンツ的な話になりますが、基本的にユーザーはネット上で買い物することをめんどくさいと思っています。
ちょっとでもわからないことがあると、すぐに買うのを諦めてしまいます。
実際に使えるかどうか不安になったり、サイズがわからなかったり、どういう梱包で届くか分からなかったり、比較していた競合との違いが分からなかったり、いつ届くか分からなかったり、、、
このように買うために必要な情報を網羅しておくのはEC運営においては必須です。
よくある質問コンテンツなどを用意して、ユーザーの不安を取り除いてあげましょう。
カート追加率に関してのまとめ
カゴ落ち対策に方に目がどうしても向きがちですが、その前にカート追加率を上げることも重要です。
カート追加率を上げる施策の方が本質的だったりもします。
もちろん、闇雲にカートに入れさせても仕方ありませんが、サッカーで言えば「ゴール前にボールを運ぶ回数が多ければ勝率は上がる」わけです。
そのためにはどうやって商品に興味を持ってもらい、スムーズにカートに入れてもらうかを検討する必要があります。
ぜひカート追加率も意識して改善を進めてみてください。