新規事業を行う際、その事業に勝ち筋があるかどうかを見極めることは非常に重要です。
どう足掻いても勝ち目がない事業に、資金と労力を投じてしまうことは、実際に失うリソース以上のダメージがあるものです。
そうした事態を避けるためにwebマーケティングを活用して、勝ち筋を見極めてから大きな投資をして事業を育てていくべきです。
弊社は中堅中小企業向けのwebマーケティング支援を行なっている会社ですが、時折、大企業の新規事業のweb支援のご依頼を受けることもあります。
正直なところそのほとんどが、本事業で付き合いのある大手代理店に任せて、大きなマーケティング投資をして資金を垂れ流し、目も当てられない状態になってから相談に来るケースがほとんどです。
もちろん、大きなマーケティング予算は大手にしか消化できない場合が多いです。
ただ、新規事業の立ち上げ時には大きな予算は必要ありません。
この記事ではどのような手順で、webマーケティングを使って新規事業を作り上げていけば良いか、解説していきます。
新規事業立ち上げの際のwebマーケティングの手順
新規事業立ち上げの際のwebマーケティングの手順ですが、大まかにいうと
・媒体の力を使って認知と顧客を掴む
・ユニットエコノミクスを完成させる
です。
ユニットエコノミクスというのは、「獲得にかかるコスト」と「そこから得られる収益」を最小単位でみて、経済性を確立することです。
例えば、20,000円が定価で、4000円が原価の商品があったとして、新規購入者を獲得するための広告コストが10,000円であれば、20,000円ー4,000円ー10,000円=6,000円で利益が残ります。
この状態を作れれば、あとは適切に広告投資をしていけば事業として成り立ちます。
ここまでが、ユニットエコノミクスを成立させる、という考え方です。
では、そのために具体的に何をしていけば良いか、順をおって説明して行きます。
クラウドファンディングを実施する
クラウドファンディングは、商品やブランディングによっては避けるべき時もありますが、特段避ける理由がない場合はできる限り行うべきです。
多くの場合、商品を製造する際には最小ロットを求められますが、クラウドファンディングはサンプルだけ作ってクラファン用ページを作り、売れた分だけ後で製造することができるので、資金的なリスクを抑えることができます。
さらに、新しいもの好きな顧客をたくさん抱えているので、多くの場合それなりに売れます。
ここでユーザーの反応を見つつ、実際に手に取ってくれたユーザーにインタビューを実施するなどし、どのように訴求していくべきかの材料集めに役立てることもできます。
LPやサイトを立ち上げる
次にコアとなるのがLPやサイトの立ち上げです。
多くの新規事業で、当然実施していることだと思いますが、ここに落とし穴があります。
この段階で、抽象度の高いブランドメッセージを打ち出しすぎると、一体何の商品・サービスなのか、初めて見にきた人に伝わりづらいものになりがちです。
正直、このパターンが大手に多いです。
批判を恐れずに書いてしまいますが、賢い人がこねくり回した言葉は、大衆には伝わりません。
もちろん最終的に実現したい世界観などは、抽象度の高い言葉になると思いますが、それはあくまで売れてからそうすれば良いのです。
初めのうちは、ストレートに商品のベネフィットを打ち出すことが重要です。
web広告を出稿する
ベネフィットを明確に打ち出せているLPやサイトができたら、次はweb広告の出稿です。
ここでの失敗パターンは、みんな一緒です。「初めは認知が大事だから」と数百万単位で認知広告を垂れ流すケースが非常に多いです。
現在のweb広告のターゲティングは非常に優秀です。
まずは、「買ってくれそうな人に、きちんと買ってもらう」ような広告を出すべきです。
その上で、どのようなLPや広告がユニットエコノミクスを成立させるか探っていくことが重要です。
その目的を達成するためには、実際のところMeta広告で月30万円程度配信していけば、売れるか売れないかはわかるものです。
広告費30万円かけて売れないものは、何をやっても売れません。
なので、その範囲内で売れるようになんとかする、というのが新規事業マーケティングの本質です。
費用対効果が成立するまで低予算でPDCAを回す
ある程度売れるようになってきたら、あとは費用対効果が取れるよう、更なる改善を重ねて行きます。
この頃になれば、実はリスティングの方が良いかもしれない、という道筋も見えてきますので、広告媒体を増やして行きます。
広告媒体によっても費用対効果が変わることはよくあります。
この時も30万円程度の広告予算で費用対効果を見ていけば良いです。
30万円の広告費で100万円の売上が立つようになれば、その時は思いきり広告予算を踏んで、大きな勝負をしても問題ないです。
ただ、あくまでそれも費用対効果をよく見ながら進めていくべきです。
まとめ
新規事業立ち上げは、昔に比べて非常にやりやすくなっていると思います。
webマーケティングで予測を立てながらビジネスを進めることができるからです。
ぜひ新規事業を検討している人は、最初のマーケティングはwebから始めることをお勧めいたします。